ISBN:4101235058 文庫 沢木 耕太郎 新潮社 1994/03 ¥420

この精神状態のときに、
こんな本読んじゃダメだね。
「私」の生活がうらやましくて、
胸が苦しくなってくる。

もちろん彼は、この先の長い人生どうなるんだろうって
不安を抱えながら旅してるんだろうけれど。
ISBN:4480021558 文庫 タゴール暎子 筑摩書房 1987/09 ¥651

昨日深夜に帰宅して、寝たのが3時。
今日目が覚めたのは3時。
半日寝ちゃった。

中途半端な時間だし、のんびりするかーと
弟の部屋からこの本を拝借。
(本当は沢木耕太郎の「深夜特急」を借りにいったんだけど。)

この時代の国際結婚、しかもインド人と。
勇気あるなー。
相手がとんでもなく裕福な階層で優しくて、
しかも周囲に意地悪な人とかがあんまりいないから
うまくいったんだろうな。
お姑さんのお嫁さんの受け入れ方、
潔くて、尊敬する。
ISBN:4492652361 単行本 第一勧業銀行国際金融部 東洋経済新報社 1999/03 ¥2,520

たぶんこの手の本としては
分かりやすく書いてあるんだろうけれど…。

もっかい読みます。
ISBN:4101146403 文庫 曽野 綾子 新潮社 2005/12 ¥460

祖母は曾野綾子さんの本が好き。
果たして私は、この本が初・曾野綾子さんでした。
エッセイ。

口調はかなりキツイ。
「昔はよかった…」的な懐古主義みたいなところも
ちらほら。というか、かなり。
「それは違うんじゃない?」と思うところもちらほら。
けれど、この人、すごくニュートラル,
少なくともニュートラルに
ものを見ようとしている人だと思いました。
感情論にならない人。
世間の風潮に流されないで、
自分で判断しようと心がけている人。
多分周囲の人には一癖ふた癖あると思われてるんだろうなぁ。
見識が広くて「フェア」なのは、海外生活が長いからかな。
それも色んなところを回っているから(いいなぁ)。
南ア、ソマリア、ブラジル、イランetc...
(曾野さんの年代で、しかも女性でそれができたのは、
本人の並はずれた努力や才能もあるけれど、
よほど環境に恵まれたんだと思います。)

曾野綾子さんは、理想論を言うのは幼稚だと言う。
ダークサイドのことを知り尽くしているから?
私もそう思ってた。
だけど、理想論を語って、突き進む人がいないと、
世間は動かないんじゃないか、とも最近思います。
理想論も強く信じれば理想論じゃなくなるって思うのは
やっぱり理想論なのかなぁ。。。

あ、ただ、高見の見物で理想論を言うのは
もちろん一番卑怯なことなので、
それは避けたいと思います。
大事なのは、行動がともなうか、どうか。

曾野綾子さんも、
具体的にどうしたらいいのかって
もっと意見を書いてくれるとよかったんだけれどね。

密告

2005年11月2日 読書
ISBN:4878933607 単行本 白井 成雄 作品社 2000/09 ¥1,890

内容が重いのに、ついつい引き込まれて、
1時間くらいで読んでしまいました。

すごく切ない話でした。
それだけの罪の十字架を背負って生きるって
辛いだろうな…。
そして、自分は正しいと思ってる清廉潔白な人って
怖いなとも感じました。

戦争から50年以上が経っている今、
歴史を知って繰り返さないようにすることと、
傷を背負って、何とかバランスを保ってだましだまし
生きている人を辛い記憶に引っ張り込まないよう
そっとしておくこと、
どちらが大切なんだろう。

嘘をついた男

2005年10月29日 読書
ISBN:4309203418 単行本 田中 千春 河出書房新社 2000/08 ¥1,890

これが実話とは…。
寝る前に決して読んではいけない本です。

ロマンの気の弱さが引き起こした大事件、
私も同じような弱さを持っているから、怖い。
ISBN:4784513116 単行本 堀田 一陽 社会評論社 2005/02 ¥2,100

近所の図書館で見つけた本。
副題が「女たち」(複数形)だったので、
たくさんの人の話をドキュメンタリー調に
まとめてあるのかと思ったら
彼女、ルーブナさんの自伝でした。

私には何人かマグレブ人を両親に持つフランス人の
知り合いがいるけれど
(そういう人、本当に多い)、
彼女達は本当に、ルーブナさんが言うような
環境で育ったんだろうか。
だとすると、彼女たちのうちの何人かの
性格の強さも、なんとなく分かる。
アラブ人の女性で大学に来てるって、
その家の考え方もあるのかもしれないけれど、
日本人とは違う苦労があるはずだから。

本自体は、正直なところ、あまり読みやすくはないです。
内容は難しくないのですが、
日本人には少ない問題だからかな、
共感・理解できないまま進んでしまうことが
何度か。
彼女の文章もちょっと飛躍することあるし。
ただ、彼女の文章の勢いや、力強さが伝わってきます。

私は正直なところ、移民の問題ってぴんときません。
今まで身近になかった問題だからね。
ただ自分が受け入れる側にたったら、
自分たちに溶け込もうとしてコンタクトをとってくれる人は
やっぱり嬉しい。
で、外国人(特に男の人ばかり)が集まってると
やっぱりちょっと怖いと思ってしまいます。
受け入れる側は彼らを理解する努力を、
移民する側は土着の人たちに、
自分たちを分かってもらう努力をするべきだと思う。
その意味で、
ルーブナさんが一方的にフランス側に呼びかけるのでなく、
アラブ側の人たちにもっと開放的になるよう、
呼びかけているのは正しいことだと思います。
移民2世だからできることだね。
彼女自身が自分をフランス人と思えているのは
幸運なことだと思います。

泣きたい気分

2005年10月11日 読書
ISBN:4105409018 単行本 飛幡 祐規 新潮社 2001/07 ¥1,365

短編。
ヤマなし、オチなし。
けれど何気ない日常をこんなに輝いたものにしてしまう
筆者の観察力、すごい。
ISBN:4870314878 単行本 木村 健次郎 飛鳥新社 2001/12 ¥1,365

最近アラブマニアな私。

この本はアメリカ人がテロの後に書いた本なので、
「本当はアラブ人は相容れない人たちじゃないんだよ」って
メッセージが主。

西洋人の目から見たアラブ人、面白かったです。
アラビア語を勉強している友達のいる私にとっては
アラビア語の種類や難しさが分かっただけでも
収穫だったし。
(小学校にかよったくらいじゃ、
アラビア語の書き言葉はできるようにならないんだって!
びっくり。
識字率が高くないのは、そこにも原因の一端が
あるらしい。)

ますますシリアに行きたくなりました。。。

ひつじが丘

2005年8月20日 読書
ISBN:4061316494 文庫 三浦 綾子 講談社 1980/09 ¥660

恋愛がテーマと聞いて、
三浦綾子さんの本としては
今まであまり読む気がしなかったのだけれど、
手にとってみてよかったです。

「愛することは許すこと」。
確かに人間は醜いところもいっぱいあるし
(それが分かってなかった主人公は
やっぱり子供だったんだと思う)、
間違ったことをしちゃうこともあるけど、
一方で素晴らしいものを作り上げたり、
心を入れ替えて素晴らしい人になる可能性があるのも
同じ人間な訳で。
「人を嫌いになるのはその人の一部をみること、
人を好きになるのはその人の全てをみること」と
昔誰かが言っていたけれどその通りで、
嫌いだと思ってその人の違う面を見ようとする努力を怠ると、
自分が相手のいいところを見過ごしてしまう。
ある意味自分の世界に籠もってしまうのよね。
相手を許し、認めてあげることで、
自分も穏やかな気持ちでいられるし、
相手もそれによって変わっていくことができる。
良一にとって主人公の実家は
「許される」場所だったんだろうなぁ。
許されて死んでいった良一は幸せだと思う。

人間はいい面も悪い面も持っている。
それでも人間が好きだと言いたい。
ISBN:4344406524 文庫 吉本 ばなな 幻冬舎 2005/04 ¥560

「ノアがまた病んでるから」という理由で
友達が貸してくれた本。
犬太郎と猫太郎に癒されました。
自分の好きな空間で、
周りの社会なんてことを気にせずに、
背伸びをせずに無理せずに、
価値観を共有できる人と、
愛すべき動物と、
好きなことして生きて行けたらどんなにいいだろう。

現状に満足できるって
素晴らしい才能。
ISBN:4048836757 単行本 山口 昌子 角川書店 2001/07 ¥1,680

フランスヲタ、ここにあり。
近所のbook offで買いました。
新聞記者の方が書いただけあって、
政治の話題が多い。

日本では「愛国心」教育がとやかく言われているけど、
他の民族を見下すというものではなく、
自分の国に誇りを持つというだけのものであるならば、
私は決して悪いことだと思わない。
自分の国を愛することは、
自分に自信を加えることだと思う。
そして自信があるからこそ、
外交が上図で、大欧州の立て役者になって、
素晴らしい芸術を花開かせることができたのではないか。

少なくとも、政治家を含む公務員が
「身近な世間」ではなく、
本当の意味で「国家」のために働いているのは、
うらやましいな。

幸福な朝食

2005年7月9日 読書
ISBN:4101425116 文庫 乃南 アサ 新潮社 1996/09 ¥500

主人公も私と同じで、
少し屈折しているというか、
周囲に対して素直になれない人で、
いつも不満を感じていて…。
そして自分勝手。
彼女は本当はすごく繊細で純粋な人だったのに、
自分のことも分からないまま、
大人ぶりすぎ、強がりすぎたんだと思う。
お話の終わり方、とっても切なかった。

薄気味の悪い、そして悲しいお話。

趣味の問題

2005年2月25日 読書
ISBN:415208314X 単行本(ソフトカバー) 高橋 利絵子 早川書房 2000/11 ¥1,470

どうして最近、こう気味の悪い本ばかり面白いんだろう。
自己愛とマゾの極み。
ある意味、男同士の究極の愛かも。

本の題名はもうちょっと訳し方があるのでは…。
やばい。
面白いです。
この法則自体は筆者の考えた物ではないそうですが、
その適用がうまい。
さらさら読めてしまいます。

もう一つ面白いのが、著者のアンヌ・モレリさんの肩書き。
「ブリュッセル自由大学歴史批評学教授」
こんな学問、あるんですね。

…ともあれ、他の人に言えない趣味が増えそうです。。。

この本の出版は2002年3月ですが、
内容をイラク戦争に当てはめてみると……。
ISBN:4003252217 文庫 辰野 隆 岩波書店 1976/01 ¥315

今日は一日辞書とにらめっこ。
それでも論文1つ、ようやく読み終わりそう、というところ。
英語が母国語の人なら、こんなの辞書の項目程度に(それは言いすぎかもだけど)さらっと読んで、
参考にする程度だろうに。
自分の努力が徒労に思えて仕方がない。

そういえばモントリオールでショッキングな出来事があった。
モントリオールから他の街に行くための
現地の怪しげな格安ツアーに1人で参加したときのこと。
(危ないって? でも日帰りだったし…^^;
そして、実際、このツアーはかなり問題が多かった。
ここには書かないけど。)

ツアーガイドはバイリンガルという話だった。
確かにそれは正しかった。
……ただし、中国語と英語のバイリンガル。
モントリオールでは、バイリンガルというと
英語とフランス語のバイリンガルを指すのだと
思っていたのだけれど…。

バスで私の隣に座ったアラブ人の女の人は
英語が分からないようだった。
だから、私のこれまた怪しげな英語&フランス語で通訳。
(可愛そうなアミナ。)
これがモロッコ人のアミナさんと知り合ったきっかけ。
そして、そのツアーに1人で参加してたのは
アミナさんと私だけだったから、
私たちはなんとなく一緒に過ごすようになった。

そのうちに、同じツアーに参加してた
アジア人のカップルと仲良くなる。
彼らはベトナム人で、モントリオールの大学で
修士を取ってる途中だそう。
彼らもフランス語が完璧で、会話が始まった。
…と言っても、私は流れについていくだけで
精一杯なんだけど。

そのうちに4人の中で、私のフランス語力が際立って低いことに気づいたベトナム人の男の子が私に聞いた。
「君はどの言葉が一番できるの?」
私は答えた。
「………日本語。」

しばし沈黙。

そして女の子がフォローしてくれた。
「私もベトナムで英語とフランス語を勉強したけど、
こっちに来た時は何も分からなかったよ。
でも色んな人と話してるうちに、
分かるようになってきたから、
ノアもこれから勉強すれば大丈夫。」と。
ええ子や〜〜(T_T)

ちなみに彼らはベトナム語、フランス語、英語を母国語のように喋り、中国語も少しできるとか。
アミナさんも英語はできないけど、
母国語のアラビア語とフランス語は完璧。

ヨーロッパの人にマルチリンガルが多いことは知っていたけど、
(私の知り合いは5だか6だかの言葉を喋る。
フランスに行った時も「英語ができない」と言ったら不思議がられた)、
それは言葉が近いからだと思っていた。
それなのに同じアジア人でも、きちんと教育を受けた人なら、
外国語ができることが当たり前だったなんて。
こんな人たちの中にいると、
英語なんて簡単なことのように思えてくるから不思議だ。
そんなことないのに。
それとも「英語は難しい」というのは、
英会話学校のプロパガンダだったの??(笑)
……頑張らなきゃ、日本人の自分。

この件でもうひとつ思ったのは、
日本はとっても豊かなんだな、ということ。
日本の普通の女の子がお小遣いで参加できちゃうおんぼろツアーに(しかも、もっとグレードの高いツアーにも余裕で参加可)、
他国のいわゆる上流階級が参加してるなんて。
ベトナムで息子&娘をカナダに留学させられる家は裕福なはずだし、
アミナさんにしても、イスラム教のモロッコの女性なのに、
大学を出て、モロッコの財務省で働いていると言っていた。
つくづく、自分は世界的に見れば甘やかされて育ってるんだと
感じた。

『お殿様だからといって、自分が大天才だと思い込んでるなんて。……爵位、財産、地位、職、そんなもので人は随分尊大になれるものですね。これを手に入れるのにいったい何の努力を? 生まれた、ただそれだけ。』
《フィガロの結婚》の主人公の言葉。
ベトナム人のキャム、キャン、そしてアミナに会って、
私はすごく自分が恥ずかしいと感じた。

豊かな日本を作り上げたのは、
あの祖母を含む、私たちよりずっと上の世代。
私の世代は、日本に生まれただけで、
世界的に見ればすごく得をしていると思う。
(もちろんこれから負担は増えてゆくのだけど。)
私の安楽は自分の力で作り上げたものではないということを
心に留めておきたい。
自分の生活が当たり前のことではないことも。
世界が平等でないことを、
ちらっと感じました。
noblesse obligeじゃないけれど、
自分の恵まれた生活に見合った努力はしていきたい。
ISBN:4062632578 文庫 遠藤 周作 講談社 1996/06 ¥620

いろんな人に薦められてきた本です。
ようやく手に取りました。

進んでるうちに、みんなが推薦する訳が分かってくる。
頭を殴られたみたいな衝撃。
グロテスクに人間を描写する。

私が気になったのは、神父様志望の人の話。
日本人にとってのキリスト教って?って話。
キリスト教は西洋で生まれたもの。
だから日本人には100%理解することは難しい。
西洋の神学は全て理論で割り切る。
(確かに全て理論で割り切るから、
全然違うバックグラウンドを持つ人にも、かなりの程度まで理解できて、世界中に広まったと思うんだけど。音楽もね。)
だけどその人は異端と呼ばれながらも、東洋人ならではの、キリスト教との関わり方を模索する。

読んでてドキンとした。
私がずっと思ってたことにそっくり。
日本人の私はどうしてキリスト教を信仰しているのか。
日本人の私がどうしてこんなに一生懸命西洋音楽を勉強しているのか。
神学感も一緒。
私も結局、神様と言えるのは1人で、
宗教の違いは方法の違いだと思ってる。
目的は一緒なのに、些細な違いで争うなんてバカみただし、すごくもったいないと思う。

就職することを決めたのも、生活だの自立だのもあるけど、日本人の私が日本人として誇りの持てることを仕事にしたい思ったのも理由のひとつ。
仕事って価値を生み出すことだと思うから、苦労して生み出したその価値を誇れる人になりたくて。

美津子のように、信念を曲げたり無視ししたりして「普通に」生きることが幸せなのか、
彼のように信念を不器用に持ち続けて、見捨てられてひっそりと死んでゆくのが幸せなのか。
極端な例だけど、私は後者を選べるほど強くなりたい。

もうちょっと歳をとったら、インドに行ってみたいな。
ISBN:4101162107 文庫 三浦 綾子 新潮社 1984/10 ¥500

人間ってすごいんだって感じる本でした。

一番心に残ったのが、
「Aは事業に失敗して、ビルの屋上に登った。そして飛び降りて死んだ。

Bは事業に失敗して、ビルの屋上に上った。だが死ぬくらいならなんでもできると、思いとどまった。

Cは事業に失敗して、ビルの屋上に上った。だが街を見渡して、これだけ多くの人の中には、自分より不幸な人がいるだろうと、安心して帰った。

Dは事業に失敗して、ビルの屋上に上った。だが街を見渡して、これだけ大きな街にはまだチャンスがあろうと、意気揚々と帰って行った。」
というところ。(見て書いているわけでないので、だいたいこんなかんじ、という程度)

思い当たる節はあり。
人間の価値はどんな境遇かでなく、
そこからどう考えて、どう行動するかにあるような気がします。

ちなみに私は間違いなくAさんだなぁ・・・^^;
修行が足りません。

嵐吹く時も

2004年6月3日 読書
ISBN:4079344589 単行本 三浦 綾子 角川(主婦の友) 1986/08 ¥1,468

母親の罪を背負って生まれてきて、他人の罪を担って死んでいった主人公の弟が、さしずめイエス様みたいな役割でしょうか。ただ三浦さんの非凡なところは、その彼を、子供のときは赤ちゃんを殺そうとするような恐ろしい子として書いてるところ。確かに人間の性質なんて、紙一重だよね。

面白かったです。

星に願いを

2004年5月30日 読書
ISBN:4061838369 文庫 林 真理子 講談社 1986/09 ¥490

痛快なシンデレラストーリー。
ここまでトントン拍子だと「小説だから」と思ってしまうけど、林真理子さんの自伝的小説なのだそうです。
人は何かしら適性を持って生まれてくると思うけど、それを見つけ出せる人は本当にわずかだと思う。見つけられた主人公は幸福だったね。

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