女神

2006年4月22日 読書
ISBN:4101050252 文庫 三島 由紀夫 新潮社 1978/03 ¥500

正直なところ、三島由紀夫の本を読むのは
初めてです。
男の人が女の人に抱く幻想を描いた作品。
男の人の笑っちゃうようなロマンチシズムと、
思い通りにしたいっていう欲望と、
女の人の従順さ、そして逞しさを描いた作品。

依子は周吾の意見に頼りすぎ、いつの間にか周吾の意見が自分の意見になってしまっていて、
最後まで自分なりの価値観が持てなかった、というか
自立できなかったんだろうな。
この時代の女の人にそれを求める方が
いけないのかもしれないけれど。
逆に朝子は13歳まで見捨てられていたせいか、
ずっと逞しくて。

「2人きりになれた」というのは、
誰にも邪魔されない父親の幻想の世界に2人きりになれたって
ことかな。

「美とは、崇拝と信仰によって、はじめて到達しうるものかもしれない。………父親の愛には、肉欲がないから、不安もなく、彼女の美と優雅は、周伍の心に平和と落ちつきと、誇りと精神的満足を、たえず与えてくれるのであった。」

女神ってタイトルはうまい。

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