『生まれた、ただそれだけ。』
2004年9月27日 読書
ISBN:4003252217 文庫 辰野 隆 岩波書店 1976/01 ¥315
今日は一日辞書とにらめっこ。
それでも論文1つ、ようやく読み終わりそう、というところ。
英語が母国語の人なら、こんなの辞書の項目程度に(それは言いすぎかもだけど)さらっと読んで、
参考にする程度だろうに。
自分の努力が徒労に思えて仕方がない。
そういえばモントリオールでショッキングな出来事があった。
モントリオールから他の街に行くための
現地の怪しげな格安ツアーに1人で参加したときのこと。
(危ないって? でも日帰りだったし…^^;
そして、実際、このツアーはかなり問題が多かった。
ここには書かないけど。)
ツアーガイドはバイリンガルという話だった。
確かにそれは正しかった。
……ただし、中国語と英語のバイリンガル。
モントリオールでは、バイリンガルというと
英語とフランス語のバイリンガルを指すのだと
思っていたのだけれど…。
バスで私の隣に座ったアラブ人の女の人は
英語が分からないようだった。
だから、私のこれまた怪しげな英語&フランス語で通訳。
(可愛そうなアミナ。)
これがモロッコ人のアミナさんと知り合ったきっかけ。
そして、そのツアーに1人で参加してたのは
アミナさんと私だけだったから、
私たちはなんとなく一緒に過ごすようになった。
そのうちに、同じツアーに参加してた
アジア人のカップルと仲良くなる。
彼らはベトナム人で、モントリオールの大学で
修士を取ってる途中だそう。
彼らもフランス語が完璧で、会話が始まった。
…と言っても、私は流れについていくだけで
精一杯なんだけど。
そのうちに4人の中で、私のフランス語力が際立って低いことに気づいたベトナム人の男の子が私に聞いた。
「君はどの言葉が一番できるの?」
私は答えた。
「………日本語。」
しばし沈黙。
そして女の子がフォローしてくれた。
「私もベトナムで英語とフランス語を勉強したけど、
こっちに来た時は何も分からなかったよ。
でも色んな人と話してるうちに、
分かるようになってきたから、
ノアもこれから勉強すれば大丈夫。」と。
ええ子や〜〜(T_T)
ちなみに彼らはベトナム語、フランス語、英語を母国語のように喋り、中国語も少しできるとか。
アミナさんも英語はできないけど、
母国語のアラビア語とフランス語は完璧。
ヨーロッパの人にマルチリンガルが多いことは知っていたけど、
(私の知り合いは5だか6だかの言葉を喋る。
フランスに行った時も「英語ができない」と言ったら不思議がられた)、
それは言葉が近いからだと思っていた。
それなのに同じアジア人でも、きちんと教育を受けた人なら、
外国語ができることが当たり前だったなんて。
こんな人たちの中にいると、
英語なんて簡単なことのように思えてくるから不思議だ。
そんなことないのに。
それとも「英語は難しい」というのは、
英会話学校のプロパガンダだったの??(笑)
……頑張らなきゃ、日本人の自分。
この件でもうひとつ思ったのは、
日本はとっても豊かなんだな、ということ。
日本の普通の女の子がお小遣いで参加できちゃうおんぼろツアーに(しかも、もっとグレードの高いツアーにも余裕で参加可)、
他国のいわゆる上流階級が参加してるなんて。
ベトナムで息子&娘をカナダに留学させられる家は裕福なはずだし、
アミナさんにしても、イスラム教のモロッコの女性なのに、
大学を出て、モロッコの財務省で働いていると言っていた。
つくづく、自分は世界的に見れば甘やかされて育ってるんだと
感じた。
『お殿様だからといって、自分が大天才だと思い込んでるなんて。……爵位、財産、地位、職、そんなもので人は随分尊大になれるものですね。これを手に入れるのにいったい何の努力を? 生まれた、ただそれだけ。』
《フィガロの結婚》の主人公の言葉。
ベトナム人のキャム、キャン、そしてアミナに会って、
私はすごく自分が恥ずかしいと感じた。
豊かな日本を作り上げたのは、
あの祖母を含む、私たちよりずっと上の世代。
私の世代は、日本に生まれただけで、
世界的に見ればすごく得をしていると思う。
(もちろんこれから負担は増えてゆくのだけど。)
私の安楽は自分の力で作り上げたものではないということを
心に留めておきたい。
自分の生活が当たり前のことではないことも。
世界が平等でないことを、
ちらっと感じました。
noblesse obligeじゃないけれど、
自分の恵まれた生活に見合った努力はしていきたい。
今日は一日辞書とにらめっこ。
それでも論文1つ、ようやく読み終わりそう、というところ。
英語が母国語の人なら、こんなの辞書の項目程度に(それは言いすぎかもだけど)さらっと読んで、
参考にする程度だろうに。
自分の努力が徒労に思えて仕方がない。
そういえばモントリオールでショッキングな出来事があった。
モントリオールから他の街に行くための
現地の怪しげな格安ツアーに1人で参加したときのこと。
(危ないって? でも日帰りだったし…^^;
そして、実際、このツアーはかなり問題が多かった。
ここには書かないけど。)
ツアーガイドはバイリンガルという話だった。
確かにそれは正しかった。
……ただし、中国語と英語のバイリンガル。
モントリオールでは、バイリンガルというと
英語とフランス語のバイリンガルを指すのだと
思っていたのだけれど…。
バスで私の隣に座ったアラブ人の女の人は
英語が分からないようだった。
だから、私のこれまた怪しげな英語&フランス語で通訳。
(可愛そうなアミナ。)
これがモロッコ人のアミナさんと知り合ったきっかけ。
そして、そのツアーに1人で参加してたのは
アミナさんと私だけだったから、
私たちはなんとなく一緒に過ごすようになった。
そのうちに、同じツアーに参加してた
アジア人のカップルと仲良くなる。
彼らはベトナム人で、モントリオールの大学で
修士を取ってる途中だそう。
彼らもフランス語が完璧で、会話が始まった。
…と言っても、私は流れについていくだけで
精一杯なんだけど。
そのうちに4人の中で、私のフランス語力が際立って低いことに気づいたベトナム人の男の子が私に聞いた。
「君はどの言葉が一番できるの?」
私は答えた。
「………日本語。」
しばし沈黙。
そして女の子がフォローしてくれた。
「私もベトナムで英語とフランス語を勉強したけど、
こっちに来た時は何も分からなかったよ。
でも色んな人と話してるうちに、
分かるようになってきたから、
ノアもこれから勉強すれば大丈夫。」と。
ええ子や〜〜(T_T)
ちなみに彼らはベトナム語、フランス語、英語を母国語のように喋り、中国語も少しできるとか。
アミナさんも英語はできないけど、
母国語のアラビア語とフランス語は完璧。
ヨーロッパの人にマルチリンガルが多いことは知っていたけど、
(私の知り合いは5だか6だかの言葉を喋る。
フランスに行った時も「英語ができない」と言ったら不思議がられた)、
それは言葉が近いからだと思っていた。
それなのに同じアジア人でも、きちんと教育を受けた人なら、
外国語ができることが当たり前だったなんて。
こんな人たちの中にいると、
英語なんて簡単なことのように思えてくるから不思議だ。
そんなことないのに。
それとも「英語は難しい」というのは、
英会話学校のプロパガンダだったの??(笑)
……頑張らなきゃ、日本人の自分。
この件でもうひとつ思ったのは、
日本はとっても豊かなんだな、ということ。
日本の普通の女の子がお小遣いで参加できちゃうおんぼろツアーに(しかも、もっとグレードの高いツアーにも余裕で参加可)、
他国のいわゆる上流階級が参加してるなんて。
ベトナムで息子&娘をカナダに留学させられる家は裕福なはずだし、
アミナさんにしても、イスラム教のモロッコの女性なのに、
大学を出て、モロッコの財務省で働いていると言っていた。
つくづく、自分は世界的に見れば甘やかされて育ってるんだと
感じた。
『お殿様だからといって、自分が大天才だと思い込んでるなんて。……爵位、財産、地位、職、そんなもので人は随分尊大になれるものですね。これを手に入れるのにいったい何の努力を? 生まれた、ただそれだけ。』
《フィガロの結婚》の主人公の言葉。
ベトナム人のキャム、キャン、そしてアミナに会って、
私はすごく自分が恥ずかしいと感じた。
豊かな日本を作り上げたのは、
あの祖母を含む、私たちよりずっと上の世代。
私の世代は、日本に生まれただけで、
世界的に見ればすごく得をしていると思う。
(もちろんこれから負担は増えてゆくのだけど。)
私の安楽は自分の力で作り上げたものではないということを
心に留めておきたい。
自分の生活が当たり前のことではないことも。
世界が平等でないことを、
ちらっと感じました。
noblesse obligeじゃないけれど、
自分の恵まれた生活に見合った努力はしていきたい。
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